カリフォルニアサーフボード出張

【カリフォルニアDreaming(ドリーミング) そのU ページ2】

 

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●Day 5●

本日は日曜とあって、Meetingなどの予定は無し。自分はというと、ひどい時差ぼけに悩まされていて朝の1時半にはまた起きてしまった。

 

”ここで変に起きて、また寝てしまうと昼の12時まで寝てしまいかねない”と思って、今日はずっと起きていることにした。これが結果正解だった。

 

朝の時間はメールやブログを整理し、日本と電話などをする。その後に、外が明るくなってきたので、朝一サーフィンに向かう。海に入っていれば、どんなに眠くても眠れないから強制的に起きていることが出来るだろうと考えたのだ。

 

海に向かうと、昨日強く吹いていた風は収まり面はグラッシー。サイズは強めの南スエルが入ったのか、昨日よりもアップしていた。

 

カリフォルニアサーフィンカルチャー・サーフボードカリフォルニアサーフィンカルチャー・サーフボード

 

海に隣接する駐車場には、車がいっぱいで、やっとこさ1台分の空きスペースを探して駐車。すぐに着替えると、海に向かって小走りした。

 

波のサイズは腰〜肩。セットで頭くらい。パワーはソコソコあるが、テイクオフの後にトロくなるタイプだった。今日も新しいモデルのボード、Hawk Eyeを使ったのだがこのボードは調子抜群だった。日本でも、2人のお客様にテストして乗ってもらったが評判が良くて、すでにオーダーもいただいてい る。詳しくは、僕が日本へ帰ったらアップデートするが

 

・ポイントノーズのハイパフォーマンス
・通常のボードより2インチ短め、1/4幅広
・これ1本で、膝から頭半まで対応オーケー

 

というボードである。乗り味は、とてもドライビーで、スピードの切れ目が無い。それだけでなく、トップでの切り返しや、回転性も出せるというボード。自信を持ってお勧めする1家に1本的なボードである。

 

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サーフィンを終えると、以前住んでいたMonicaのところに遊びに行ってみる。Monicaの家を訪ねると、なんと驚くことに彼女は先週に結婚式を して、結婚したのだと言う。彼女は以前よりも、明らかに幸せそうで顔も喜びに満ちていた。幸せな人を見るのはいいものだ。自分も幸せな気持ちになるし、自分が愛する者はこうやって幸せにしてあげたいとも思った。

 

Monicaの家で、カップケーキという犬に挨拶もして、オレンジジュースをご馳走になる。外にある、オレンジの木からそのままとってきて、すぐに作った天然100%オレンジは、思いのほか甘い。Monicaの家の後に、用事を何件か済ませていると、また眠くなってきた。ドライブが不可能なくらいなので、パーキングエリアに車を駐車して、車の中で2時間ほど仮眠をとる。

 

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こちらは高速道路に、パーキングエリアはあるのだが、日本のようなお店などの営業をしている感じなPAは一切ついていない。いわば公園といったところか。今日は休日なので人も多くいた。

 

その後ホテルに戻り、メールの仕事をこなしながら、夕方のセッションに備える。夕方は風すら出ていたが、ファンウエーブが割れていた。

 

そのポイントで2人突出して上手いサーファーがいたが、XTRサーフボード素材を使っていたのが印象深い。XTR素材は最初は違和感あるかもしれないが、乗ってみるとそのスピード性や耐久性、軽さに満足してもらえると思う。宣伝抜きでお勧めである。

 

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そんなこんなで、今日も終わり。スーパーマーケットに行って、買出しをして、ホテルへ戻る。明日からまた打ち合わせが詰まっていたので、サッカーのダイジェストを見ながら、また寝てしまった。

 

●Day6●

今回の旅は、時差ぼけに悩まされているが、今日も朝の3時に起きてしまった。一度起きると、寝るのはもったいないので、また仕事をこなしながら起きていることにした。

 

朝になり、外を見るとなんと小雨が降っている。カリフォルニアにしては珍しい雨だ。風もオンショアだったので、今日は朝のサーフィンは取りやめ。ホテルの近くにあるCarls Jrにて、ブレックファーストブリトーをほうばる。 いやはや、アメリカではジャンクフードが食べられないと、朝食の場所にも困りそうだ。逆にジャンクさえあればオーケーという人にとっては、パラダイスかもしれない。

 

 

朝食を終えると、一度ホテルへ帰る。メールなどをしていたら、また睡魔に襲われた。なんだよ、また時差ぼけ効果だ!と考えながら、MADサーフボードのMarty Allenに連絡をする。今日は、MartyとのMeetingだったんだ。

 

Martyと連絡を取ると、まだ彼はPoint Conception付近のサーフポイントにいるという。多分、RanchエリアのLefts and Lights。サウススエルで、極上の波が味える場所だ。その場所は個人の所有地なので、サーフポイントにはボートか、その土地の所有者関係者で無いとアクセス出来ない。

 

彼は波が良いので今日はその場所でサーフィンをするという。ボードのテストをチームライダーとしているらしいのだ。

 

いつもながら、アメリカのサーフィン業界では約束が適当だったりする。まあ、いいボードが出来るならばしょうがないか・・・と思いながら、今日の新たな計画を立てる。結局エポキシプロとSBサーフボードに行って、打ち合わせとなる。

 

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まずは、SBファクトリーにてSteve BoysenとTommyとの打ち合わせ。Boysenはカリフォルニアでも超一流のボードをシェイプすることで有名だ。最近は、大きく広告などせずやっているのだが、それでも東海岸のショップやカリフォルニアのショップ、上手いサーファーに大きな支持を受けている。

 

彼は新しいブランドのCashというものを持っていて、こちらはレトロなシングルフィン、ミニシモンズ、ハイブリットエッグなど様々なボードがある。レジンアートと言われる、樹脂に塗料を混ぜてやるアートワークもカッコイイ。

 

ちなみに、このCashブランドのT-shrts、何枚か仕入れたので、是非お店に来る人はチェックして欲しい。とてもカッコイイのだ。僕もたまに着ているのを、気づいていた人はいるだろうか?その後XTRファクトリーへ。

 

XTR For Japanのお客様のボードも、今回の出張にあわせて何本か送るので、そのチェックもした。

 

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チェックをしていると、Edwardsがフィンをボードに取り付けるための穴を開け始めた。彼は、大好きなSmooth Jazzのチャンネルにラジオを合わせると、音量を心なしか大きめにした。

 

”YUKI、お前この音楽好きだろう?”

 

と僕に話しかけた。僕が、Smooth Jazzが好きなのを彼は知っていたのだ。そんな小さな心づかいに感謝しながら、彼は自分の仕事をたんたんとこなす。

 

その後、Javierと新しいモデルや、現在のモデルを更に改良して、より良いサーフボードを作るための打ち合わせ。サーフボードのトレンドなどとも含めて、長い時間話した。

 

その後、ファクトリーを見ると、あれ?日本用にシェイプして、検査に通らなかったボードが何故だか知らないけどパッキングされている。ボードは何処かに送られる前だった。Javierに聞くと、セカンド(いわゆるB級品)でも、買う人がいるので、現地の価格へ割引転換してUSのXTRのサイトのオンラインで売っているのだという。

 

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僕はちょっと複雑な気持ちだった。というのは、B級品といえば、本来のシェイプでは無いし、どこかグラッシングにも問題があるケースがあるのだ。そのために、日本向けの最終の検品ではじかれている。でも、そのボードを売っているということは、誰かがそのボードを手にするのだ。アメリカ人は、ボード価格が安いからあまり気にしないだろうけど、ひょんなことでそのボードを日本の人が手にしたら・・・

 

そんなことを考えながら、自分は自分がお客様に出来ることを最大にするのが、XTRサーフボードのお客様にとっての付加価値付けだと考えながら、また自分の仕事をする。その後、またSBファクトリーへと行き、今日の夕食ビジネスミーテングの予定を立てる。場所は近くのすし屋だ。

 

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カリフォルニアに来ると、カリフォルニアスタイルのすし屋に来るのがとても楽しみだ。中には、あれは寿司ではないという人もいるだろうが、美味しいことには変わりが無い。

 

すし屋では、シェフさんが美味しい寿司を握ってくれ、そしてToshi君とTommyがオーナーさんと知り合いなために多くのサービスをもらって、大満足。今日は良く寝られそうだ・・・

 

●Day7●

朝起きると、June Groomの名の通り、曇りがちのCaliforniaだった。以前住んでいて、毎日のように通っていた、Oceanside Harborへと車を走らせる。

 

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その前に行きつけだったSKドーナッツで、ドーナッツ2個、ミディアムサイズコーヒー、そしてハラペーニョハム&チーズを買う。SKドーナッツで、コーヒーとドーナッツを食べて、残りはサーフィン後に取っておいて、また車をポイントへと走らせる。

 

今日の波は小さめだった。腰くらいか? Javierに借りた、Calafia-Nで、今日はサーフィンをすることにした。ポイントについて、波に乗る。Calafia-NはJavierサイズだったので、多少大きめ5'11"×19 1/4×2 3/8。浮力が強いのだが、それなりに乗れてしまう。ドライブが効いて、そしてトップへも持って行きやすい。いいボードだ。

 

Calafia-Nは、Calafiaのボードのアウトラインを変更したバージョン。Calafiaよりも、ワイデストポイント(幅の一番広いところ)を1インチノーズよりにしているバージョンだ。アウトラインがノーズよりになっているので、力の無い波でよりテイクオフと走り出しが早い。Calafia-Jより小波~中波に適しているデザインと言える。

 

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サーフィンの後、Martyと打ち合わせがあるので、Martyのシェイプルームへ。Martyは、AUSのNSW地区のXTRも統括していて、AUSとカリフォルニアを忙しく行き来する。AUSのXTRは質は良くなっているというが、まだまだ改善の余地があるという。

 

Martyとの打ち合わせを兼ねて、インタビューをする。今年は更にXTRサーフボードのラインナップを充実させ、そしてXTRサーフボードジャパンと協力して、より良いボードをシェイプすると言っていた。日本で今一番売れているMartyのボードは、MRF。こちらも更にレールをチューンして、日本人の体格やスタイルに合わせたと言う。

 

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また、McWhizzや、新しいモデルのBlack Swallow、そしてAsteroidについてもいろいろ話を聞いて、モデルのコンセプトを理解するようにした。このモデルのコンセプトを、シェイパー本人から直接聞くのが、僕はとても大切だと思う。

 

文章やただの音声、いや映像だけでは分からない、生の臨場感とその細かなニュアンスを聞き取り、分からないことは質問をして、シェイパーの意図を確実に理解する。それが海外シェイパーのボードを、日本へ紹介する自分には必要なことだと思った。

 

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Martyにはシェイプルームでシェイプを続けてもらうとして、近くのJavierのシェイプルームへと行く。Javierは、シェイプルームで、フィン の位置をつけていた。新しいボードのHawk Eyeだった。このボードは、僕ももう乗っていて、しかも日本のお客様からもオーダーを発表前に頂いているボード。乗りやすく、そしてテイクオフも早い (あくまでも他のハイパフォーマンスボードと比較してという意味で)のに、動かせるハイパフォーマンスボードだ。

 

Javierとは、Newボードのコンセプトの打ち合わせをして、次はまた近くにあるSBファクトリーへと行く。SBはいつものように、ボードをシェイプしていた。今、XTRサーフボードジャパンは3人のブランド&シェイパーを抱えているが、それぞれのシェイプルームのスタイルや、シェイプの仕方が微妙に異なり、とても興味が引かれる。

 

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SBでは、新しいレトロラインのCashというブランドも力を入れるが、SBブランドは彼の真髄のハイパフォーマンスを保つと言う。とにかく、彼のボードも間違いない。今回頼んでいたSkilletというNewボードも、触った感触も抜群だったし、これは期待できる。

 

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SBは急がしそうだったので、SBのマネージャーであるTommyと一緒に、近くのGlobal Glassingやラフハウス(Chirs Boastが経営しているシェイプマシーンハウス)、そしてHydro Flexなどを見て回る。このOceansideは、カリフォルニアのサーフィンインダストリーが多く集まる町で、シェイプ理論・素材・技術などが一気に 開発されるサーフボードメッカだ。

 

今日もそんなこんなで動き回ったカリフォルニア。夜は得意のメキシカンで、ビールを少々頂いて、疲れた体をすぐに休める。明日もまたいそがしそうだが、朝のサーフィンはしたい!ということで、早めに寝てしまった。

 

●Day8●

今日はカリフォルニア出張最後の前日。やることはすべてやらなければならない。ただ、まずは海に入るのが必要(ボードのテスト)だったので、いつものOceanside Harborへと車を走らせる。今日も曇りの天気だった。

 

天気は曇りで、波は昨日より小さめ。だけど、グラッシーで人もまばらで楽しめそうだ。早速Calafiaにワックスをアップして、沖にパドルをする。このボードとても乗りやすく、そしてレールToレールがしやすいのだ。

 

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沖に行くパドルの際に、なんだかレトロなボードに乗っている長髪の兄ちゃんがいるのに気づく。どこかで見た顔だなあ・・・と思っていたが、あのHydro FlexのボスのBufoだった。彼のボードにはとても興味があったので、いろいろ話をする。そうすると、彼の深いサーフボード構造に対する知識と、斬新な考えが分かるのだった。

 

彼とは、後でファクトリーで会う約束をして、そしてJavierとの打ち合わせがあるのでXTRへと向かう。今日はJavierにXTRサーフボードの新しい構造ボードを見せてもらう予定だった。また、最新ボードについても質問をすることにしていた。

 

詳細はまたお楽しみとして、XTRのこれからの素晴らしい未来が見えるMeetingだった。ちょっとお話すると、今カリフォルニアでは話題のパラレルス トリンガー+カーボンパッチボード。そして、フレックスを高めて、熱に強くなったXTRフォーム。配合を変え、より粘性をアップしたフレックス抜群のエポ キシ樹脂。その樹脂にあわせたクロスなどなど・・・・サーフボードってとてもハイテクになってきたなあと感じさせる。

 

もちろんPUもいい素材だけど、耐久性と素人にはスピードが・・・なんて考えたら、XTRのアドバンテージは果てしない。

 

JavierとのMeetingの後に、SteveとToshi君にGood byeを言うために、SBファクトリーへ。SBは忙しくシェイプをしていた。最近SBはとても集中してシェイプしているようだ。真剣さが伝わってくる。

 

Toshi君は、サンディングルームに閉じこもって仕事をしているようだったので、邪魔してはいけないと考えて、SBファクトリーを後にする。その後またJavierのファクトリーで、最終のMeetingをして、夜8時半まで2人で仕事。Javierは社長だが、いつも最後にファクトリーを後にする。

 

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XTRはJavierにとって、自分の子供のような存在なのだそうだ。それほどかわいいということか。

Javierと共同して、日本とアメリカのコミュニケーションを更に良く、しかも安価にするシステムを開発したので、さらに業務も効率的になりそうだ。 JavierやMarty、そしてSBとも、もっと簡単に連絡が取れるようになるだろう。現在のビジネスは、まさに情報とスピード、そしてその中に温かみ のあるヒューマンタッチが必要なのだ。

 

それを可能にする技術がどんどん誕生していく。今に世界はもっと近くなる予感がする・・・僕らの仕事は、お客さんとシェイパーを限りなく近くすることだ。

 

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そんなことを考えながら、明日の朝の最終セッションに備えた。フライトの前に、実はHydro FlexのBufoとHarborにてサーフィンをする約束をしたからだ。そんなこんなで、またホテルに帰り、ワールドカップの速報をチェックしながらまた疲れて寝てしまった。

 

●Day9●

Day9の朝も曇りだった。カリフォルニアというと、朝から晴れまくっていると思うだろうが、そうでもない。特に夏の前4〜7月は曇りの日も多いのだ。Juneグルームと言えば、そのイメージも付きやすいということか。

 

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ひんやりとした朝だったが、今日はあのBufoとOceanside HarbarでHydro Flexの試乗の約束があった。朝7時の待ち合わせだったが、ドイツ人の彼は時間に厳しそうなので、朝の6時にはもうホテルを出て、ポイントへ向かった。人種によって時間の感じ方が異なるのは、これは異文化に住んだことのある方なら分かるだろう。

 

ちなみにラテン系は、時間よりも会えるか会えないかが重要で、待ち合わせに1時間も遅れてくることがある。遅刻しても怒ったりはあまりしない。

 

逆にアメリカ人は時間に厳しい(世界の標準として)のだ。それでも、日本人から見れば、アメリカ人はラフだ。日本人やドイツ人は、時間に対する厳しさは世界でもトップクラスと言う。異文化で暮らすには、そう言った知識が役に立つ。

 

時間のこと以外では、日本人はしぐさや雰囲気で相手の言いたいことを読み取る能力に優れている。反対に言葉は少なくなりがちである。西洋の人は、しぐさや雰囲気で相手の言いたいことを読み取る能力には長けていない。逆に彼・彼女らには、言葉ではっきりと言わないと、こちらの言いたいことが伝わらないことが多々ある。西洋人のしゃべる量は、日本人に比べると3倍も多いというが、それも言語文化の違いを考えれば当然の結果か。

 

僕は、アメリカに行った時、英語は全然出来なかった、当然のごとく苦労した。最初の3ヶ月は地獄だった。言葉がしゃべれない辛さって・・・自分を馬鹿にしてでも、気力を振り絞り、なんとかコミュニケーションをとるのは非常に疲れる。

 

多分英語がしゃべれないで、英語圏に行った大人(僕の経験上、25歳以上か?)はとても苦労しているだろう。もちろん例外はあるが、僕はとても苦労した。 特に大人になってしまうと、自我が芽生えすぎて、ミスを犯すことに慎重になったり、人前に出てアクティブに行動しなかったりする。自分のペースも守りた い。

 

しかし、そういったことは英語をマスターする上で大きな障害となる。ミスを恐れず、行動的になり、機会を見つけて英語に触れないとまずマスターできない。子供だったら、周りも優しいしミスっても大目に見てくれる。だけど、大人の環境はそうでもない。言語学的にも、13〜14歳までに第二言語をマスターしないと、発音は完璧にならないと学会でも言われている。

 

そんなハンディ−だらけの大人が、英語をマスターする。コレは本当に大変なことだ。必要に迫られないと、もしかしたら通用する英語はマスターできないのかもしれないとも思う。

 

でも、反対にブロークンEnglishであっても、自分の言いたいことが伝われば良いとする人もいて、まさにその通り。だけど、自分の専門が第二言語習得 理論だったし、どうせなら上手くなりたいと思ってしまう自分はいつも自分の英語スキルを省みると、ショックの連続だった。今思うと、英語が喋れない自分が 第二言語習得理論の研究って・・・とも思う。はっきり言って、甘い自分だったのだろう。

 

幸運なことに、同じような日本人が僕が留学した際の寮にいて、お互いを励ましあいながら英語を学んでいけた。今思えば、変な日本人同士での英語。お互いに練習するために、日本語禁止だったのだ。今あのAさんはどうしているのだろう?ドバイで金融関係の仕事についているというが。

 

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そんなことは良いとして、Harborへ行く途中に、行きつけのSKドーナッツに寄って、ハム&チーズパン&コーヒー・ドーナッツを買う。そして席に座って、ゆっくりと朝食を取る。

 

以前住んでいた感情を思い出すことが出来る、僕はこんな朝食スタイルが好きだった。旅行に行くと、何故だかかしこまってレストランなどに行く人がいるが、僕にはそれでは疲れてしまうようだ。

 

朝食を取ると、Harborへと。まだBufoは来ていない。シメタ!約束の時間に間に合ったぞぉ!少し待っていると、Bufoが来た。

 

"オー時間どうりに来ましたねえ。だけど俺、一度ファクトリーに行かないとならんのです。"

 

と言った。だから、僕の車で2人でファクトリーに行くことにした。

 

車の中では、Hydro Flexの開発のいきさつや、彼の生い立ち、これからのビジネスなどについていろいろなことを聞いた。彼ははっきり行って、自分のテクノロジーに自信がある。 JavierのXTRと同じだ。自信が無ければ、わざわざドイツから渡米してファクトリーを建てたりしないだろうけど。

 

Bufoと今回出会ったのも、なにかのめぐり合わせだろう。本当にたまたま出会ったのだけど、これも縁。これから、いい付き合いがBufoとは出来れは良いと思う。

 

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Things happen for a reason...

 

僕の近くにいる人は、いつも僕が言っているフレーズなので上の言葉は聞き飽きているかもしれない。だか、上のフレーズをいつも考えながら僕は行動していることにしている。

 

ミスが起きた時も、幸運に見舞われた時も・・・そう考えたら気持ちが楽になるのではないかと思っている。一度アメリカの友人に、

 

"YUKIさんは、クリスチャン?"

 

と聞かれたけど、そうでもないのだ。だけど、クリスチャンがそのフレーズを言っていたことも思い出した。

 

Bufoのファクトリーに行って、用事をすませて、Harborへと。今日乗ったボードはBoogie Fishと言う、ツインフィンのHydro Flexだったけど、これはツインフィンらしからぬ乗り味だった。ツインフィンのネガティブさを消して、その良さにスパイスを効かせた感じ・・・そんなフィーリングなのだ。

 

Bufoは、自分のBoogie Fishの5'7"でサーフィン。僕は5'5"だった。何本か乗って、もう時間が8時半になったので、彼とGood Byeすることになった。最後の1本に乗り、

 

”また日本から電話する!”

 

と言って、その場を去る。急いで飛行場に行かないと乗り遅れてしまう。車に乗り、ホテルへ帰り、シャワーを浴びて着替えて、車に乗り込む。

 

9時半か・・・ちょっと時間があるな〜と考えて、途中にスーパーに寄ってみやげ物を調達する。そして、帰りの車で今回の出張を振り返りながら、日本へ帰りたくないよーとも考えて、運転をする。

 

レンタカーを返し、シャトルバスへ。そして国際線のターミナルへ行って、チェックインをする。荷物さえ預けてしまえば、もう安心だ。

 

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そして、出発ロビーで、JavierとMartyに電話をし、Good Byeを言う。飛行機に乗り、離陸。次にカリフォルニアに来れるのは、いつなんだろうか?帰りのフライトは、疲れもたまっていたらしく、また西回りのフライトには常なことで、良く眠ってしまった。いい出張だった。

 

日本へ着くと、独特の蒸し暑さ・雰囲気に、"帰ってきたなあ。"と感じる。明日からは、通常の営業だ。今回の旅で、実際にこの目で見て、話して、そして感じたことを、またお客様に伝えて行きたいと思う。こうやって、僕のカリフォルニアでの終わり無き夢はまだ続くのだった・・・

 

To be continued

 

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