
◇最新ミニボード系のファン&ご機嫌ボード
:小波系スムーズターンマシーン
こんにちは。XTRサーフボードです。今回は飛びっきりカッコイイミニ系ボードを紹介しよう。
XTRサーフボードでは、T-Rex・Frytrix・MRFなどのミニ系ボードがあるが、それぞれのボードに固有の特徴がある。そしてこの新しいGrapeも、また他のミニ系ボードとは異なる特性があるのだ。
ミニボードって皆同じじゃないの?っと言う方もいらっしゃるいるかもしれない。でも、ボードによって違うんです。これ本当。俺もパーソナルクイバーミニボードとして4種類のサーフボード持っているが、それぞれのボードで乗り味が微妙に違う。テイクオフ・走り出し・トップでの回転性・ボトムターン・スピード・・・細かいことを言い出したらキリが無いくらいだ。
皆さんは、違いにも興味があると思うので、そんな違いも考えながら今回のインプレを書きたいと思う。
ちなみにGrapeは、大まかに以下のような特徴がある。
- 頭サイズの波でもいけるが、どちらかというと小波系で活躍する。
- 胸以下あれば、掘れていて多少パワーがあっても乗れる。
- 波がトロイ場面でも走りきる能力がある。
- 厚めのボキシーレールを持つが、きちんとパワーゾーンにボードを持っていくと、とても軽快に取り回しが出来る。レールの厚みはあまり感じない。
- クワッドフィン設定は小波系に適していて、トライ設定はテールを安定させたい場合・波が大きな時に活躍する。
その他もいろいろあるのだが、それは以下のインプレで紹介しよう。
グレープの一番最初のテストは、カリフォルニアでの出張中だった。
もともとこのGrape、自分が昨年の9月〜12月中にカリフォルニアにて出張研修をしていた間にオーダーしていて、すでにボードは完成していたのだが、実際にJavierの手からボードを受け取りたくてカリフォルニアのファクトリーに保管してもらっていた。
ボードの写真はJavierからPC経由でもらっていたのだが、やっぱりサーフボードは実際目で見る・手で触ったほうが気分はいいものだ。ボードを受け取る当日は、興奮した。
ファクトリーでJavierが、得意げにボードを見せてくれた。サイズ・&仕上げはすべてJavierにお任せだったけど、出来てきたサイズは、5’3“1/2×19 7/8×2 1/2。丸いボードなのだが、どこかセクシーさがある。ラウンドテールがとっても魅力的だった。
ボードはロッカーを弱めにして、短いながらもテイクオフを早めている。ただ、軽い動きを引き出すためにノーズとテールの先は多少削いでいて、テールのキュっというキックある。レールは丸いソフトレール。レールが引っかかりづらい設定だ。
そしてノーズエリアは広めになっていて、テイクオフと走り出しを早めているのだ。後でも書くが、テイクオフからの走り出しが早すぎて、体がついていかない時があったほど。それほど走りが良い。
【Day1】
場所:オーシャンサイドハーバーリバージェティー
波:頭オーバー
風:オフショア強め
コンデション:潮が多めだが、ファンウエーブ
最初のGrapeのテスト日には、良い波にヒットしてしまった。というより、Grapeには波が大きすぎるような感じだった。
 
オーシャンサイドハーバーリバージェティーをチェックして、波の状況をJavierに電話すると、
“今日Grapeを使うのか?波が大きすぎないか?”
と言われた。だけど、今日のコンデションでもボードをテストする気が満々だった俺は、多少コンデション的には、フィットしない。やや無謀ながらもGrapeをテストすることになった。
このオーシャンサイドリバージェティーは、今年雨が多く降っていて、リバーマウスの場所にいい具合に砂と玉石がたまっていて、スーパーとも言えるレギュラーウエーブが割れていた。
話はずれるが、南カリフォルニアはケッペンの気候区分だと、ステップ気候になる。ステップ気候は砂漠の手前の気候なので、雨がとても少なく、灌漑をしていないエリアは枯れた草のようなものしか生えない。でも、今年は雨が多かった。下の写真でも分かるが、雨の多さが山を緑にしていたのだ。珍しい光景だ。もちろん、冬は雨季なので、多少の雨が降るので、緑も少し出るのだが、今年はとても山肌が青かった。
今日はプロサーファーや、フォトグも多く出ていたこともあり、ポイントには緊張した雰囲気も漂っていた。このポイントは、波が大きいと流れも強くゲットアウトが大変なので、ジェティーを歩いて、その先端付近から飛び込んで海に入るのが一般的だ。
 
だから俺も、バージェテーの堤防を歩いて、その堤防から海に飛び込んだ。
ピキーンと冷たい海と、暖かいカリフォルニアの空気が交錯する。いい感触だ・・・まさにカリフォルニアに戻ってきたという感動さえ覚える一瞬。
ハイタイド気味で、潮が多くて多少波はポヨついているものの、質も高く、セットで頭オーバーは十分ある。ピークは人がびっしりと詰まっていたので、俺はピークからややインサイドで波を待つ。そしたら、いきなり俺のウエイティングポジションに、ショルダーの張った波が入ってきた。
テイクオフをしようと、波の先を予測するとダンパー気味で、波はクローズアウトしそうだ。だけど、多少は走っていけるショルダーがありそうだから、波に乗ることに決定。そして波にテイクオフした。
その波は、テイクオフして横に2〜3回アップ&ダウンをするようなシンプルな波だったが、この波一発でこのボードの素性がだいたい分かった。
まずテイクオフがスムーズ。そしてそのテイクオフからの走り出しが秀逸。走ってからも、スピードをキープしてそのまま乗っていける。
いいボードの条件である”スピード”という性能が十分備わっていることがこのボードはあるのが、最初の1本目のライドでわかる。嬉しい・・・すぐにわかるグットボードの感触。
最初の一発目を乗った後に、次はセットに乗ってみようとする。セットは頭以上ゆうにある状況。
そんなセットを待って、人の多くいるピークからなんとか一発波に乗る。ボードがスーッと走り出す。波は頭以上だった。
走り出すと、テール付近がとてもルースなことに気づく。
”あれ?波が大きめだと、クワッドフィン設定だとボードが動きすぎてバタついてしまうかもしれない。”
と感じた。たぶん波が大きな状況であると、トライフィンのほうがマッチングが良さそうだ。
トライのほうがマッチングは良いと思うこともあるのだが、別にクワッドでも乗れないわけじゃあない。波が大きな時のクワッドの設定の時は、特にテールエリアでの後ろ足のコントロールに気を使って乗れば良い。短いボードなので、テール側の動きを後ろ足でしっかりと抑えてあげれば良いのだ。
そんなこんなで、後ろ足に神経を集中させ、後ろ足コントロールをしながらセクションを抜ける。
”早い、そして軽い”
と波のショルダーで思った。
Grapeはとても早いボードだ。しかも一度スピードがついてしまえば、フラット気味のセクションでもグイグイと進んでいく。アップ&ダウンを繰り返しながら、軽快に波を攻めていく。ミドルセクションを乗り越えると、インサイドでトップToボトムのターンが出来そうな波に遭遇。
ボトムターンを試みる。多くの浮力を足に感じる。”浮力があり過ぎて、ボトムターンをしようとしても浮いてしまうか?”と思ったのだが、後ろ足を踏み込むと、テールエリアのレールがグッと水に入る。思ったよりも深いターンがしやすい。
全体の浮力があるのに、なぜ?と思ってしまったのだが、考えてみれば納得。テールがラウンドで、スカッシュ系よりもレールToレールがしやすいためだと思われる。
このGrapeのラウンドテールはとてもセクシーで美しい。Frytrixのバットテール、MRFのダブルウイングも魅力的だが、Grapeのラウンドテールの曲線美は捨て難いものがある。
そんなことを考えながら、スムーズなボトムターンを楽しんだ。そしてボードをトップへ。
ボードをトップにやると、ラウンドノーズタイプのボードらしいトップターンをした。ちなみにMRFとFrytrixはラウンドノーズではなく、ポイントノーズ気味なアウトラインを持つ。
MRF>Frytrix>Grape
の順でノーズの先の面積が狭くなる。だから、まったく同じサイズであれば、トップで一番軽いのはMRF、次にFrytrix、そしてGrapeとなる。ただ
まったく同じサイズであれば
というのがとても大切なことで、GrapeはFrytrixより短くなるのが通常の設定なために、トップでの取り回しの重さは感じない。むしろ、ターンする能力が高いボードだから、トップでも慣れれば軽快に回せるボードなのである。

乗っていると、インサイドでショルダーが張って来た。さあ、サーファーだったら誰でも好きな、波が掘れ気味でカッ飛べる波。アップ&ダウンでスピードをつけて、そして最後にローラーコースター。細かなアップ&ダウンもお手の物だった。
そんなこんなで、今日は波が大きめだったけど、楽しめるセッションだった。今日の波は、大きめだったけど、ハイタイド気味でボッコリと掘れるタイプでは無い。後でも書くが、このボードは掘れ掘れのタイプの波は行けないことは無いが、ベストではない。掘れた波だったら、Frytrixのほうがボードがマッチするのだ。
カリフォルニアではこの日の他に、Rinconで頭オーバーサイズの波、そしてオーシャンサイドハーバーで胸サイズ、リバージェティーで腰サイズの波に乗ったのだが、俺はどっちかというと、頭以下のサイズでのサーフィンが楽しめる印象を持った。
 
もちろんダブルの波だって乗れるだろうけど、乗れることとその状況でベストなサーフボードかということは全く違う次元のことだ。
Gpraeで大き目の波に乗るならば、テイクオフしてから波が掘れ掘れでは無く、ややショルダーの面積がある波、千葉だったらいわゆるあの北東の風をかわす漁港の横の、新堤の波が最適。ここの波質だと、頭くらいのサイズがあっても、Grapeは非常に楽しめるボードだ。
そんなこんなで、カリフォルニアでのテストでのGprapeはとても良いフィーリング。次の日本でのセッションが楽しみだった。
【Day 4&5】
場所:千葉北 南東の風を交わすあのポイント
波:肩〜頭(Day4)、腰〜胸(Day5)
風:サイドオフショア
コンデション:バックウオッシュがあるが、レギュラーの長い波
さて、次なるインプレは日本でのテストライド。波は、バックウオッシュが入るけど、選べばなかなかのコンデションだった。この日は、FrytrixとGrapeを全く同じコンデションで乗り比べているので、違いも良く分かった。
さあ、早速インプレに入ろう。
最初のテスト(Day4)は、セットで頭はあるコンデションで、このGrapeのシェイプだと辛いのでは?と思っていた。俺は、Frytrixが頭くらいのコンデションでも十分使えることを知っていたので、Frytrixも使うことを念頭に置きながら、まずはGrapeにてテストを開始した。
波が大きめであったので、堤防の横からパドルをする。パドルはいつものように、安定していてそして早い。グイグイとパドルが進む。ただ、長さが短いのであまりパドルが早くないかな?と錯覚をするサーファーもいそうだ。実際はパドルは早いのだが。
アウトに出ると、波は思ったより大きい。バックウオッシュが入っていて、テイクオフがなかなか難しそうだ。最初はアウトからテイクオフを試みた。
自分のウエイティングポジションに、波が入ってきた。セットの頭サイズで、しかも掘れている波だった。
パドルをして、波に乗ろうとする。波が掘れる。ここで正直な感想。波が大きめで(といっても日本のスタンダードで)、ある程度掘れていると、ボードが短いのか、テイクオフして走った後にボトム側に降りずらいような印象を持った。
To be continued・・・・【続く】

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