◇週末サーファーの夢を叶える超浮力小波系ミニボード
:乗れるだけじゃない!軽い取り回しの動きも加えられる次世代デザイン

皆さんは、マジックボードに乗ったことがあるだろうか?
サーフボードを販売するものとして、他のメーカーも研究ということで対象に含めて、1年間に何十本とボードに乗る。だけど、いいボードは多いのだけど、マジックボードは稀だ。それだけに、マジックボードに出会ったときは、なんともいえないような幸福感に満たされる。
マジックボードに出会ったことのあるサーファーなら分かるあのフィーリング。このボードは素晴らしい・・・とボードにキスしたくなるような愛情とも言える感覚。なぜか、波への対応範囲も広がって、小波向けのデザインなのに、頭半くらいでも乗れちゃうほどの自信。特別な日に、マジックボードをとっておきたいと思うくらいの愛着。
Frytrix(フライトリックス)は自分にとって、まさにマジックボードだ。今回は、このFrytrix(フライトリックス)のインプレを書いてみたいと思う。
Frytrix(フライトリックス)の開発の元は、最近のミニボードブームと、Matrixに触発されてだ。ボード開発元として、常に日本側の要求をエポキシプロに伝え、そのフィードバックを日本用のサーフボードに生かしているが、XTR For Japanを愛用していただいているお客様から
- とにかく楽しく、テイクオフ早く、そして乗りやすい小波系ボードが欲しい
- 週1回のサーフィンを充実させたい
- サーフィンを充実させるためには、小波用のボードが必ず必要
という声を多数いただいていた。Matrixでももちろん膝波から対応は可能だ。
●Matrixのテイクオフ性能・乗ってからの動きを受け継ぎ、さらなる小波へのフォーカスを●
ただ、Matrixはどっちかというともも〜腰以上のほうがボードが波のカーブにフィットする。だから、浮力さえコントロールできれば、Matrixは頭半でもサーフィンできるし、テストもしている。
逆に言うと、Matrixは通常のオールラウンドと同じ長さを持つために、本当の小波だと、タイトなターンを最近人気のある、ミニボードよりしにくいのだ。
だからMatrixより出したボードを開発する必要があると感じてきた。そして誕生したのが、このFrytrixだ。
細かな開発ストーリは、Frytrixの特設ページに譲るとして、このページではFrytrixのインプレを述べよう。
初めてこのFrytrixを乗るときは、T-Rexみたいな乗り味かな?と実際思っていた。だが結果は全然違う。T-Rexとは全く違う新しいタイプのミニボードと考えて良いだろう。
まずは、見た感じからの比較。FrytrixはT-RexなどのRNFよりもノーズはマルマルとはしていない。先の尖ったボードでもないのだが、どっちかというとFF-JやMRFのような丸いノーズとポイントノーズの中間のようなノーズの処理。
テール幅は、RNF系よりプルイン(絞込み)をしてあるが、FF-Jよりは絞っていない。
脇に抱えて、全体のフィーリングを確認してみる。レールを触ってみると、ボリュームがなかなかある。丸みを帯びた、ソフトボキシーレール。センターは厚いが、テールよりにしたがってうまい具合いにレールを落としてあるのだ。
コンケーブをチェックする。コンケーブは、薄めのダブルからVEE。小波で乗りやすく、そして取り回しも良いだろう。
さあ、このボードがどんな性能を発揮してくれるのか。とても楽しみだ。期待が高まる。
【Day1】
Oceanside, CA
膝〜腰
微風
Fryrixのお初のテストコンデションは、カリフォルニアの秋の天気が最高の1日。
今日は、サンタアナ気候の予報が出ていたから、午後になっても海の面は綺麗だと考えていた。朝1サーフィンを終えて、夕方あたりを狙っていた日だった。
俺はFrytrixを試したくてしょうがなかったので、仕事を終えて、海へ急ぐ。
“早くしないと、日が暮れそうだ”
となり、車のスピードを、限界ぎりぎりの50マイルまで上げて飛ばす。
駐車場に着くと、金曜の午後ということもあって、満車に近い。どうにか、自分の車の駐車スペースを見つけ、そして急いでウエットスーツを取り出し、ワックスアップを行う。フィンは、TAフィングラスフレックスのツインフィンに、トレーラーフィンはGXとした。
ボードにワックスアップをして、もう一つのテストボード(MAD M4)をXTR専用のホワイトケースに入れて、ビーチへと急ぐ。途中あのアムトラックの線路を渡り、そしてビーチへとたどり着いた。
ビーチへ行くと、天気の良さと金曜の午後ということも手伝って人で賑わっている。波のサイズは、腰、最大でも胸くらい。しかも今日はラッキー。南カリフォルニアにありがちな、午後に風が出て海面が乱れていることは一切無い。
面がとても整っていて、ガラスの表面のようだ。
早速、ピア横からパドルアウトをする。パドルアウトする際に、ドルフィンをする。その際に、上を見るとまさにカリフォルニアの海の独特の雰囲気のグリーンがかかった波のカーテンが見える。

パドルをして、一発目に感じたのは、
“このボード、動く“
という感じだった。というのは、パドルすると、浮力は多く感じるのだが、動きを出せるボードのフィーリングが伝わってきたからだ。
ピークへ出ると、ちらほらとサーファーはいるが、結構空いている。楽しむチャンス。波は掘れてはいないが、結構早め。クセがある感じがする。テイクオフする場所とポジショニングが鍵だ。
早速1本目の波が入ってきた。レギュラーの波だった。トロ早めの波なので、少しだけ斜めにテイクオフをしようとした。
波にあわせて、全開でパドルをする。そうすると、スーッと走り出す。
“早い”
というのが最初の感想。もう一つの印象は、
“テイクオフが早いので、そのまま横にすぐにアップスの状態に入れる“
だった。
このインプレを読んでいる人の中には、こういったことを思った人いないだろうか?頑張ってテイクオフしても、ドドーンと波のトップからボトムに落ちて、ホワイトウオーターにつかまってしまう・・・もちろん俺はある。
自分のミスでそんなことになるのは、全然オーケー。だけど、そのようなことを繰り返す確立が高いボードは、最初の走り出しが良くないか、ボードが自分・または波のコンデションに合っていないのである。
Frytrixは、この点安心できる。テイクオフが早いし、その後の走り出しもとても良い。サーフボードで重要な要素だ。
実は最初の波はテイクオフすると、
“あっあっ、この波抜けられないかも”
と思ったタイミングだった。だけど、嬉しい誤算。ボードがとても早いので、セクションをターボエンジンが付けられている車のように、加速して抜けていってしまったのだ。
●スピード性能抜群のデザイン●
“なんだ、このスピードは“
というのが、最初の感想。この最初のテイクオフとその後の走り出しで、俺にとってマジックボードというのが分かった。いきなり自分のフィーリングにこれほどフィットするボードは、今までなかなかなかったからだ。
波にセクションがあって、
“あっこれは抜けられないかも・・”
と思う時でも、抜けられるのが嬉しい。クワッド設定ということ・ボードのボトムが早いということもあるんだろう。
最初のセクションを抜けると、ターンをできる場所が見えた。そこで、ボトムでタメをしながら、ボトムターンから、トップカービングターンへと持っていく。
このターンの時に気がついたのだけど、ターンが軽いのだ。"浮く”ボードなのに、テールエリアを沈めて、ターンの際にボードをコントロールすることも容易だ。
あなたの小波系ボードで、テールエリアが広過ぎて、横に走る力が強いのはいいのだが、それだけの動きで、トップへのアクションが弱すぎる!というボード無いだろうか?
そういった、巨大スワロー系テールや幅広のテールを持つボードは、確かに横には行けるのだが、皆の憧れの縦へのアプローチは、かなり後ろ足使い方がうまくないと、難しい。
●一般サーファーでも、この厚めのボードサイズで驚きの軽快さが出るターン性能●
プロだったら、広いテールでも、縦への動きはできるだろう。だが、それは体重移動・レールワークに長けている、プロならではの技。だが、我々一般サーファーには、違ったデザインのほうが、縦に動きやすい。
このFrytrixはテール幅は、通常のミニボードより絞っている。そのために、テールが軽快に動かせるというわけなのだ。
もちろん、テールをプルイン(絞り込むこと)すると、ボードのスピードが落ちたり、テールが沈みこみやすくなったりするが、そこはXTRの素材感の優れた特性がふんだんに活用される。
XTR独特のスピードフレックスを生かしていて、スピードもキープ。スピード+コントロールを両立するという、高次元のボードが誕生した。
さあ、インプレに話を戻そう。Frytrixで トップターンをした後は、波のカール側のホワイトウオーターに当てる。そして、ホワイトウオーターにあてこんだ後、ボードの向きをショルダー側に変えて走り出したら、波が少し掘れてきた。
小さい膝波なコンデションだけど、波が掘れてくると、俄然そのボードの走りの良さも強調されるようだ。軽快なアップ&ダウンを繰り返す。
そして、最後はロールインでこの最初の波を締めくくった。

良いボードだ・・・
とニコニコの笑顔になりながら、ピークへと戻っていく。カリフォルニアの秋の緩やかなオフショアと、柔らかい日差しが心地良い。
ピークへ戻ると、今度はグーフィーの波に乗ろうと決めた。もともと俺はクワッドボードのグーフィーの感覚は嫌いで、どうもうまく乗れなかった。クワッドの特性もあるのかもしれない。
最近いろいろフィンの位置とか角度をPulse XTR For Japanではいじってもらっていて、このFlytrixも新しいフィンの設定がしてある。だから、フィーリングが違うかもしれないと、期待をもっていた。バックサイドの乗り味を試すのが、楽しみだったのだ。
グーフィー側の波が来た。結構掘れていて、今日の南スエルが入っているので、早い波だ。オーシャンサイドは、北からも南からもうねりを拾うが、南からのものだと、グーフィーが中心となる。
この波も、早めだったので俺は抜けられるかな?と心配だったのだけど、実はこのボードの素晴らしいポテンシャルが、自分の強い確信へと変わるのが、この2本目の波だった。
パドルをして、波に乗る。いつものようにスーッとボードが走り出す。ボードが走ってから、波を確認すると、また
“やばい、セクションを抜けられない!”
そう思った。
その瞬間だったが、ボードがグイーンと走り出してセクションを抜けていく。
波はちょっとチューブのような感じの掘れ方をしていたけど、その掘れている局面でも安定したテイクオフが可能で、そしてコントロール性が抜群だった。たぶん、肩くらいまでの波であれば、掘れている波でも、テールエリアでコントロールできるサーファーであれば全く問題無し。
幅広過ぎるテールのボードが、テイクオフした後、スライドして安定性が取りずらいとか、テール幅が広過ぎて、テイクオフの際にひっかかった感じがするということはこのテストでは一切無かった。
テイクオフで走り出して、そしてすぐにテールを側を使ってターンに持っていけるのだ。
その驚くほどスムーズなテイクオフをクリアーすると、ボードのロッカーが波にぴったりとマッチしているのか、凄まじい勢いでボードが走っていく。
しかも、レトロ系の幅広クワッドボードにありがちな走りぎてターン性能がバックサイドだと顕著ということも無い。鈍重なミニボードより、簡単にターンをすることができるし、縦へもボードを持っていくことが可能だ。
たぶんXTR素材とシェイプのマッチングも大きいのだろう。
そしてボードが走っていって、そして波がとろくなったのでカットバックをする。カットバックもスムーズで、きちんとホワイトウオーターに持っていくことができる。カットバックは、ボードが短いのルースな感じを受けるが、ボードスピードが速いためにスピードのロスが少ない。これは◎だ。
●レールターンも可能な、スムーズさを持ち合わせる●
ホワイトウオーターに当て込んで、そしてまた走り出すと、波がまた掘れてきた。そして自分の左手をちょっぴり波について、トリミングをして最後に当て込みをしてフィニッシュ。
このFrytrixの乗り味としては、扱いやすさもあるのが特徴。シングル〜薄いダブルにVEEのシンプルなボトムで、コンケーブが入り過ぎていない所も扱いやすさの秘訣。ボードを強くプッシュしなくても、簡単に走っていくし、コンケーブが深いボードにあるような、スイートスポットを発見するのが難しいとかの問題は極力少ない。だから体重をすぐに板に乗せて、スピードを出すための体勢に持っていける。
板への繊細なコントロール、そして足を置くスイートスポットを探すのが難しいという問題が解消されたのだ。
イージーに、そして自分が予測できるボード。つまり、ボードがとても乗りやすいということになるだろう。
このライドでもう一ついいところ発見。Frytrixは短過ぎないということ。
最近俺も例に漏れず、いろいろミニボードに乗っている。ミニボードはとても楽しくていいのだけど、自分はある程度レールラインが長いほうが好みだと分かってきた。極度に短過ぎるミニボードよりも、適度に短いミニボードが、自分のスタイルにフィットするのだろうか?
中級レベルくらいのサーファー(自分も含め)だと、極度に短い(すなわちレールラインも短い)ミニボードを使うと、どうもバタバタしすぎて、スタンスを広めにしないと、ボードの挙動を抑えきれない。結局そうすると、なんだかガニマタ気味になっている自分に気がついた。
自分の体格170cm・61kg、中級レベルだと、ミニボードでも、長さ5'2'か5'3”前後が、レールラインを使ったモダンサーフィンには、短さの限界といったところ。もちろん、5'0”とかのボードでも乗れるが、乗れることと自分にフィットすることは別次元だ。
例えばXTR For Japanで人気のMad Rocket Fishがあるが、これは俺にとって最短の5'3“だ。
この大人のハイブリットミニは、RNFとミニボードを合わせたフィーリングで、レールラインもきちんと確保していて、大きめなターンも可能だし、バタバタしすぎることも無いので、しっとりとしかも洗練したサーフィンが楽しめる。

Pulse XTRのRNFである、T-Rexとも乗り味は違う。T-Rexは、ターンの半径がゆったりとするが、このFrytrixはもっとターンの半径もタイトにすることができる。センターのレールのストレートラインが
- T-Rex2010はより直線的
- Frytrixのほうが曲線(カーブ)が強い
ゆったりと乗るならば、T-Rex2010を大きなサイズでとれば良い。クルクルと回転させるには、MRFを短くしたサイズをとれば良い。
でも、もっと大人にフィットする、リラックスしたテイクオフが早くて、そして回転性もある程度備えているハイブリットミニはないだろうかと、いつもカリフォルニアの海で考えていた。
その答えが、このFrytrixだ。
ちなみに、俺はこのFrytrix。サイズを小さめにしているけど(5'4”1 /2×19 7/8×2 5/8)、俺が乗っても楽しめる。このボード、最高だ。
【Day2】
Oceanside, CA
膝〜腰 セット胸
オンショア
さて、前回のFrytrixの乗り味は最高だった。ただ、テストが1回ではまだ分からない。だから、次の日に違ったコンデション・場所で乗った。
2回目のテストは、最初の日とは異なり、ハイタイド・オンショア、そして波がぽよぽよしている状況。アウトはトロくて、インサイドは早いというやっかいな海のコンデションだ。ただ、テスト日としてグット。日本でもそんなコンデションでサーフィンする人も多くいるだろうから、絶好のテスト日と言える。
早速お気に入りのFrytrixにワックスアップをして、パドルアウトをする。海面は多少ボコボコしているが、波さえ選べば、乗っていけそうな感じだ。
小さなサウススエルが入っている、夕方近くのカリフォルニア。曇っている空からも、光が多少さしてくる。雰囲気は最高だった。
さすがに日曜の夕方時ともなると、サーフィンしている人は少なく、アウトでは数名。波も小さめなので、ロングやフィッシュボードばっかりだった。地元のプロサーファーである、Chris Abotが入っていたが、彼すらパフォーマンスフィッシュの短いボードを使っていた。
さあ、早速テストに入る。前回のボードのいい感触を足に今でもを覚えているので期待もあった。
テイクオフをしようとして、パドルを全快にする。波に対してスーッと走り、テイクオフ。相変わらず早いテイクオフだ。
●このボード、ただのテイクオフが早いだけのメタボボードじゃない●
波に乗ると、波に癖があるのがわかる。トロく崩れるのだけど、乗った後は波が掘れていて、そしてとても早い。
だから、テイクオフした後に、その掘れているセクションを抜けようと、テール側をプッシする。スイートスポットをすぐにこのボードは発見させてくれるので、スタンスはすぐに決まっていた。
アップ&ダウンを軽くすると、ボードのスピードがつき過ぎてセクションを乗り越してしまった。つまり、当て込みをできるチャンスである、リップを通り越して走り過ぎてしまったのだ。
結局波がマッシーになったショルダーで、カットバックをすることになり、引っ掛かりの無いスムーズなカットバックでホワイトウオーターに当て込む。
最初の1本で、このボードの特性が少し分かった。Frytrixは、ボードスピードが早いので、ボードのテールをプッシュしてスピードを無理につける必要が無い。それよりも、しっかりとした体重移動で確実なターンを意識して、テールでのコントロールを重視したほうが良いだろう。
ということで、次の2本目は同じレギュラーサイドに崩れる波に乗ったのだが、1本目のフィードバックで乗り方を調整。
早速ピークに戻り波が来た。今回も同じように、小さいながらも少し掘れていて早い波だ。パドルをしてテイクオフをする。ボードがスーッと走り出した。
本当に早い滑り出しだ。

ボードを走らせると、今度はそのボードの速さを考えて、余裕を持ってボードをコントロールすることにした。後ろ足を無理にプッシュしない作戦だ。
過度なプッシでは無く、適度な加重でスピードを出そうと試みる。そうしたら、最初の一本よりうまくボードのコントロールができて、リップの絶好のタイミングへ持っていけるボトムのポジションへとボードを運ぶことが出来た。
右手をちょっと水に触らせて、そして多少のタメを入れてボトムターン。そのターンのタイミングがドンピシャで、トップでのリップアクションもキレが良く決まった。
“このボード調子良いな・・・というよりマジックボード“
と心の中で確信する瞬間。
その後、波がフラット気味ながらも、ショルダーが続いているので、アップ&ダウンでそのセクションを快速で走り抜ける。
この厚いボードにして、軽快度が抜群。まるで、ボードのテールよりにボールベアリングの効きまくっている車輪が入っているかのような走り。しかも、テールが水に張り付き過ぎないので、レールToレールがとてもイージーだ。コンケーブが、フィンの間はダブル・そしてテールに向かってVEEになるためだろう。
プロや上級者向けのボードや、速くて掘れている大きな波は別として、小さめの波だと結構王道を走るボトム形状かもしれない。
そして、最後はクローズアウトセクションに当ててフィニッシュ。
“ああ、いいボードシェイプしてもらったな“
と大満足。どうやら、このボードオンショアでも活躍できるようだ。ボトム形状がばっちりだもんね。
今日は、インサイドにポジションを移して何回か掘れた波に乗ったけど、小さめ(肩以下)の波であれば、コンパクトなチューブも狙えるシェイプだと感じた。ノーズロッカーは弱めだけど、掘れた波でも、両足のコントロールに気を使えばそれほど刺さらない。
笑顔でサーフセッションを終えて、早速書いたインプレ文章がこれだった。
【Day3:ショートインプレ】
千葉北
膝〜もも
微オンショア
さて、最後に日本でのテストライドを短いながらもインプレしたいと思う。このインプレ、さっき私がサーフボードに乗ってきてすぐに書き始めたので、乗り味を脳裏に鮮明に記憶している。そういった意味で、読者の方々にはフレッシュなインプレとして参考になるだろうと考える。
波の状況はというと、あまり良くない状況だった。サイズは膝がメイン。トロトロと割れて、ショルダーが無くなるような波。10分に1本の波を選んでどうにか走れる波が探せるような感じだった。

サーフィンするか?迷う俺。地元ローカルの人達も
”こりゃーダメだ・・・”
と言ってその場所から立ち去って他のポイントへ移動していたくらいだ。風の影響は少ないからいいんだけど、問題はうねりのパワー。弱く、風波っぽい。
だけど、どうにかこうにか走れそうなショルダーもあるし、1〜2アクションくらいどうにかできるかも知れないと思って、サーフィンすることを決定。ボードも小波に強いFrytrixだし、楽しめるかも?と期待もしていた。
さあ、結果は?
結果から言うと、俺にとってこのサーフボードは間違い無いと言える。
小さい膝サイズで、しかもトロトロと崩れていくのだけど、ボードがフラットなセクションもどんどんと走っていく。そして走るだけじゃない。
きちんとトップToボトムにボードを軽快に持っていけるし、そして最後のクローズアウトセクションでもノーズを出して、切れのある動きが出来るのだ。
そして、やっぱり大切なテイクオフと走り出し。俺が持っているサーフボードの中でも、1~2を争うほどの小波でのテイクオフの早さと、初速。

最初はあれ?この波じゃあねえ・・・と思っていたけど、テイクオフしてからちょっとでも走れるショルダーがあれば、厚い波の局面でも、グイグイ走っていく。
嬉しい誤算。結局、こんな波でもサーフィンが楽しめることがわかって、もう手放せない1本になってしまった日本でのセッションだった。
寒い1月の海だったけど、心はFrytrixが調子最高な事実対して興奮しているのがわかる。週末サーファーで、テイクオフが早めのボードを求めていて、そして波のサイズを選べない状況にある人には、最強の小波ウエポンとなってくれるだろう。
トップToボトムの波でも対応できるその幅広い対応
もう一つの波のコンデション。トップToボトムのカービングをするような、ショルダーの張った胸くらいの波でもテストをしたので、アップしよう。
テストの日は、低気圧が通過し、うねりが届いていた日だった。南風も吹いていて、サイズが大きい時はもうここしかないというあの堤防横の場所。波が整えば8アクションも出来るような質の高い波だ。
当日は、この場所しかサーフィンが千葉北エリアでは不可能ということもあって、多くのサーファーを集めていた。
テイクオフゾーンでは、バックウオッシュがドーンと入るトリッキーな波。そしてテイクオフ後は多少とろくなり、そしてインサイドでは波が早い癖のある波だった。
こういった波だと
- 早いテイクオフと走り出し
- テイクオフ後の安定性
- トロいセクションも乗り越えることのできるスピード性能
- レールToレールの切り替えの早さ
- ボトムでタメを作れるデザイン
が一般サーファー必須の項目となる。特にテイクオフして、その後にスピードを簡単につけられる必要がある。スピード性能が無いと、トロいセクションを乗り越えられないし、また早い波においていかれてしまうのだ。

Frytrixのテストの結果は?
波にボードがとてもマッチしていたのだろう。はっきり言ってこの波で、マジックボードだった。
テイクオフが早いので、狙った波にほとんど乗れる。”あーあ、とちょっとで乗れたのに・・・”という悔しい思いを今日は一回もしなかった。本当にテイクオフが早い。
ボードのレールが厚いので、トップアクションで薄めのボードよりは反応がゆったりとしているのだが、ボトムでタメを作り、そしてトップでリップアクションもバンバンできる。逆にコチョコチョとボードを動かすようなサーフィンでは無く、しっかりと体重を乗せたレールサーフィンが可能なので、洗練されたサーフィン練習ができる。
またカットバックも引っかかりの無いスムーズさで、ホワイトウォーターに当てた後も、ボードのスピード性能が高いから波に捕まることも無い。
なによりも、ボードのスピード性能が高くて、この癖のある波(トロいセクションと、早いセクションが1つの波にある)を容易に乗りこなせたのだ。
以上簡単なのだが、とても良い感想をターンを上下に出来る幅のある波でも得られた。このボード、はっきり言ってかなり使えます。
【Day4&5&6:ショートインプレ】
千葉北
ヒザ〜腰と、もう一日胸〜肩のコンデション
サイドオフショア
このインプレは、実は自分に合ったFrytrixのフィンの設定を探すべく行った。数日間にわたり、何個かのパターンを組み合わせて、海に入った。
@フロント:M5
リアー:GX
クワッド設定
最初のフィンは、サイドフィンにM5、リアーフィンにGXをつけた、クワッド設定。波はヒザ〜腰波。このフィンの設定は、とにかくテールがルースに感じられる。中にはルース過ぎると感じるサーファーもいるだろう。体重が65kg以下のサーファーにお勧めとなる。
Aフロント:M7
リアー:M5
3フィン設定
この設定はスラスターの設定。僕はスラスターだったらこの設定が良かった。クワッドよりは動かないが、良い意味で安定性がある。
Bフロント:TA Twin
リアー:GS(スタビライザー)
3フィン設定
この設定は、M7フロント+M5リアーより多少テール付近が軽くなる。ただし、テイクオフした後には若干反応が遅くなるような気がした。
Cフロント:TA Twin
リアー:GX
クワッド設定
この設定は、クワッドにしては安定をするフィン設定となる。クワッドにありがちなルース過ぎるフィーリングがあまり無いので、クワッドが好きで、なおかつ安定しているフィーリングを感じたい人用。
Dフロント:M7
リアー:GX
クワッド設定
このフィンのセットアップは、自分にとってベスト。ボトムでとても軽く動かせて、スピード能力も問題無い。まさにベストフィンセットアップであった。
●まとめ●
Frytrixは以下のようなサーファーにピッタリである。
- Matrixも膝から使っているけど、小波で動きをさらに良くしたハイブリットミニに乗りたい。
- 大人のミニボードが欲しい。
- 波が小さい休日も豊かに過ごしたい
- テイクオフも早いけど、動きだってある程度は出したい。
- XTR素材独自開発の超浮力ミニボードに乗りたい。
- トロはやい波に対応させたい。
そんなサーファーにお奨めする、楽しめるミニボード・グットボード。あなたのサーフィン人生をより豊かにしてくれる新しいXTRサーフボードコレクションの誕生だ。

このFrytrixは、レールがボキシーで厚め。もしも、厚めのレールが苦手な人は、カスタムオーダーをお勧めする。標準のストックボードは、オリジナルな厚み、つまりボキシーのレール形状だからだ。
カスタムオーダーであれば、ユーザーが好みのレールの厚みにすることが可能なので、是非検討して欲しい。
このインプレを読んだくれた方は、Frytrixボード特集ページも是非ご覧ください。

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