Shadowインプレッション
Vonsol Surfboards(ボンソルサーフボード)のデザイナをするのは、Kelly Slaterが使っているあの5番目のフィンの開発者のSean Mattison(ショーンマティソン)です。
アメリカのプロサーファーとして活躍後、USのナショナルチームやCT選手のコーチもする屈指のサーファーです。US最大級のサーフショップのマネージャー&サーフボードバイヤーも勤めたことがあり、そのサーフボードデザインに対する理解は特筆すべきものです。
彼のデザインするサーフボードは、
"サーフィン=ライフスタイル”
を目指すものであり、パフォーマンス性能をキープしながらも、誰でも乗りやすい安定感があるデザインを持ちます。もともとショートボーダーのプロサーファーだったMattisonです。若い頃は、とにかくハイパフォーマンスボードでしかサーフしなかったと言います。だけど、ハイパフォーマンスボードに乗るにはアスリートのような能力が必要で、サーフィンのピュアーな面白さが削がれていると感じていました。彼が、年齢を重ねるにつれて海やサーフィンが人生に与えてくれる喜びを享受するサーフボードへと興味が移っていきました。
かといって、ただ波に乗っているだけでは彼は満足しません。波に乗れることは当たり前として、乗ってからのフィーリングを最重要視します。ロングボードもプロの彼なのですが、やはり波が許せばショートボードの面白さが醍醐味と言います。
ショートボードのスピード感、ボードが足元に与えてくれる反応の高さ、そしてクイックな反応。ショートボーダーであれば、誰でもわかるあのフィーリングです。これらの要素を入れ込んだデザインを彼は最優先にします。
そんな感覚をアスリートでは無く、一般のサーファー持てるボード&流れるようなフローを持って波に乗れるというサーフボードデザインを、Mattisonは常に考えています。彼のボードはレトロ感は一切ありません。レトロチックなボードの走り出しの早さは犠牲にせずに、モダンなショートボードの要素を入れて、
“ポストモダン”
なサーフボード作りをしています。
その彼が
"Killer Quiver(キラークイバー)”
として絶大な信頼を置くのがこのShadow(シャドウモデル)となります。
【ボードの良い点】
Shadowの良い点は様々ありますが、
@ 走り出しの良さ(走り出しが早い)
A 全体的にボリューム(パドルが早い)があるのに、取り回しが良い
B 乗っている時のボードの安定感が抜群だが、ターンをしたい時はきちっとターンが出来る
という点が特徴的です。
1番目の項目のテイクオフからの走り出しですが、通常の細いボードとは比べ物になりません。ワンテンポ〜ツーテンポ早い走り出しです。ショートボードのアウトラインを持つので、ロングボードやファンボード並みとは言いませんが、余裕を持って走り出すことが出来るボードです。
2番目のボリューム感ですがジャストより多く感じるサイズでとるボードなので、余裕があります。それだと、乗り味が重いかな?と考えてしまうのですがそうではありません。新しい素材で軽く、そしてボードのフレックスの反応が高いために、ボリュームがあるのにクイックに動くというサーフボードを作り出しています。もちろん細いショートには、細かいターンの動きはかないませんが、そういった細いショートボードに乗っていて苦労している・ボードが止まってしまうケースが多いサーファーは、Shadowモデルのスピード性能の感銘を受けるでしょう。今までメイク出来なかったセクションを確実にメイクしてくれるからです。
3番目の項目は、2番目ともリンクしています。ボリューム感があり、幅も厚みも余裕があるためにボードは安定しています。それでも、テールのウイング+ラウンドピンテール形状+テールのフォイル(厚み)+コンケーブのコンビネーションにより、ターン性能が高いです。
もう一つは、Mattisonのフィンのボードとのマッチングもあると感じます。Shadowに合わせているフィンは、フィンがやや細く、そして上向き(フィンが寝ていない)の形状フィンなので、反応が高いのです。反応が高すぎて、ルースなフィーリングを感じてしまう場合は、同じくMattiosnのフィンのKubstarフィン(筆者のお気に入りは、Nubstar pivotフィンのほう)を付ければ、テールの安定感も高まります。
【スパイスアップ!】
夢ボードであることは間違いありませんし、ボードのバランスは特級です。ただし、どんなボードデザインでも利点と欠点があるように、乗り手がボードを購入する前に考えるべきことがあります。
@ アベレージサイズでは、先の細いハイパフォーマンスのほうが動きのクイックさは上です。
A 波が巨大になると、セミガンボードのほうが活躍します。
B 小波でもドライブが効きます。だけど、グロベラー系のMush MachineやMutantには、小波や弱い波で勝手に走っていく能力はかないません。
以上のことは頭に入れておく必要がありそうです。
【どんなサーファーにこのボードは向いているか?】
@ 今までよりも波に多く乗るためにパドル力をアップして、鈍重&レトロな動きのボードは欲しくない方
A 超浮力ボードよりも、チョッピリ浮力アップボードに乗りたい方
B 幅広ボードであっても、きっちりとターンの質は出したい方
C 今までのポイントノーズよりも多くの波に乗りたい方
となります。
さあ、この新しいボードで、サーフィンのPure Joyをショートボードのフィーリングを持って体感してみませんか?カリフォルニアは、San Diegoで生まれたフィッシュボードの速さと、パフォーマンスボードのフィーリングを高いレベルでブレンドしているハイブリットボードです。見た目のクールで、サーフボードの本場のカリフォルニアのフィーリングがばっちりです。他のビックブランドには無い魅力があり、そして性能も高い・・・サーフィンの新しい価値を探しているあなたにぴったりのボードです。