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カリフォルニアのサーフカルチャーその@

 

カリフォルニアサーフ・サーフボードカルチャー

Reference:Sufline

 

「ビービービー」

 

朝の目覚ましがまだ 暗い冬の6時に鳴る。必ず起きてしまうような驚くほど強烈な音で、俺達はすぐに起きてしまった。まだ隣の友人は眠いようだが今日の波は予報では4〜5 フィート、最大セットで6フィートはあるだろうと知らされていた。日本が冬型の西高東低型気圧配置になった後、だいたい7日ほどして届くという、アリュー シャン諸島で急激に発達する低気圧から来る冬のうねり。うねりの大きさは14ftで波の間隔は12Second(秒)。西北西から来るパーフェクトな波。 しかもこの地方付近一帯が、高気圧で広く覆われていて、風はとても緩い北東(カリフォルニアのこのエリアではストレートオフ)と出ている。完璧だ。昨夜のうちに絶対に早起きすると決めていたが、やはり朝は苦手だ。コーヒーが欲しい。

 

朝食のバフェをとるために、友人と下の階にあるレストラインへ行く。入り口から入ると、いつものおじさんが

 

"Good morning! How are you doing?"

 

と聞いてくる。

 

"Fine thanks"

 

と答え、俺達は軽く コーヒー・焼き卵・ベーコンの朝食を済ませた。早く海に行きたいという、焦る気持ちを抑えながらも、ウエットスーツとサーフボードを3本を車に詰め込んだ。外はそろそろ明るくなってきた。今日のカリフォルニア空気も澄んでいて、そして乾いている。今日も昨日と同じく快晴なのだろう。

 

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ホテルを出て、最近 買い換えたミニバンで左に曲がり車を走らせる。俺の車はアメリカでは”サッカーマム車”とからかわれ軽蔑されるような車だ。このタイプの車は、いわゆる家庭に子供がいてその子供たちを乗せることができる家族車のようなもの。日本だったらサーファーが良く乗っている車だが、アメリカではサーファーが乗ってい ると違和感があるらしい。

 

そんなことは日本人の俺は気にしないのだが、まれにShey Yates(AKAのプロライダー)や他のカリフォルニアの友人に

 

”You are a soccor mam!"

 

と呼ばれると、なんだか悔しい。だけどこの車こそ俺のパーフェクトサーファー車なのだ。

 

車を南に走らせると、左側になんとも言えない雄大な山脈風景が見える。カリフォルニアでもここでしか見られないような風光明媚なダイナミックな山脈。運転をしながらもカメラを探している自分がいた。この風景おを自分の心の中だけで無く、いつも思い出せるようにファインダーの中に収めたい。そう強く感じた。パチリパチリと、運転をしながら3枚ほど写真を撮った。

 

助手席に乗っている人からすると、”危険なのでは”と思うだろう。でもカメラで写真を撮らずにはいられないのだ。それほど美しく雄大な風景。その場所にいるだけで幸せを感じてしまう。俺の気分が高揚し、この土地で好きなラジオ局のFM75.1をかける。俺がお気に入りの曲がスピーカーから聞こえてくる。俺の好きなColdplyの”Talk”だ。この土地の雰囲気にピッタリとあったその曲調。

 

ご機嫌になった俺 は、その曲を聞きながらカリフォルニアの広大なハイウエイ101を南に走らせる。ポイントまですぐなので、出口を確認する時にも海が見える。そのポイント の遥か海のかなたには特徴のあるOil Well(海の油田の上にある採掘施設)。あのOil Wellを見ると

 

"ああ、また俺はここに来ることが出来た"

 

と感激するのだ。俺は神を信じているとか、そういったことは無いのだが、なにかに感謝したくなるほどの幸せ。それくらい、満ち足りた気持ちになれる。

 

青い海・左側の茶色がかかった広大な山、そしてまだ見ぬブレイクに期待を膨らませる俺達。そしてついに、ポイントに到着。朝から駐車場はかなりの混雑だ。?

 

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ここはカリフォルニア、いや世界に誇る超一級の波。サーフメディアでも必ず取り上げられるほどの質を持つ、ライトメインの玉石ポイントブレイクだ。駐車場に車を停車し、外に出て素晴らしいカリフォルニアの空気をいっぱいに吸ってみる。抜けるような空を持つ快晴と、あの独特の乾いた空気が同時に自分の脳に届いているかのような錯覚すら覚えた。風はオフショアが緩く吹いていて、そして天気は完璧。海を見ると沖には石油を掘るターミナル3つと、その後ろ側にある島が2つ見える。くっきりとその島の姿が確認できるほど、空気が澄んでいてちょっと冷たい。

 

海をちらっとチェッ クしただけでも、海面から北西の方角からうねりが入っているのがクッキリととわかる。"ああ、質の高い波が割れているな"と期待をしながらポイントをサー フチェックすると、もう何人も波待ちをしているのがわかる。そしてその波は、期待通りの壁のようにショルダーがあるスーパーブレイク。海に入る前から、興 奮度が高まっていった。

 

俺達は早速ウエットスーツを取り出し、自分が一番調子の良いマジックボードと、楽しむためのクワッドボード、そしてラウンドノーズタイプのフィッシュを取り出してワックスを塗る。ここの波は、同じタイプのボードだけで乗ってはもったいない。様々 なデザインで、それぞれの特徴を生かして楽しめる。いつもだから何タイプかのボードを車のラゲッジに入れるのが俺の常だった。ラゲッジから、すこしだけまだ濡れているウエットスーツを取り出して、そして裏返す。昨日の感動のサーフセッションの余韻が残っているウエットスーツ。

 

ウエットスーツに着替え、そしてワックスを塗っている時も、これから体感するに違いない今日の波の素晴らしさについての期待の話が友人と絶えない。

 

俺:"いや〜ー今日の波は絶対に良いよ。"

 

D-Con"僕、たぶんサーフィンずっとやっているんで。疲れたら先に上がっていてください。あと僕はもう用意ができたから、先に行ってますんで。"

 

俺:"ストレッチやら無くて良いの?"

 

D-Con:"さっき車の中でしちゃいました"

 

どうやって車の中でストレッチを?なんて不思議になったが、そんなことはどうでも良い。すべての会話は、今日のこれから起こるだろう素晴らしいセッションのプロローグとなる。

 

着替えが早く終わったもう一人の友人は、そそくさと落ち着かない。すぐに海に行きたいのだろう。そんな彼のしぐさに気づかないフリをしながら、自分のペースで準備を行う。でもそんなに急いでどうするのだとも考えながら、その友人の気持ちもわかる自分がいた。

 

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D-Conが去った 5分後くらいに、友人と俺は3本ボードを持ちながらビーチへとアクセスした。ひとつはボードケース無しで、もう2つはケースに入れてボードを運ぶ。ポイントに降りて、メインのピークのインサイドの砂浜への途中に、ボードがビーチで盗られないよう、近くに落ちていた海草と木でボードを隠す。必死に隠している 俺の姿は周りから見たらかなり滑稽なのだろう。

 

でも俺は、自分の大切なマジックボードを誰にも渡したくないので、必死にそこら辺にあるリソース(落ち葉・海草・木など)を集めてボードケースを隠す。自分でも探せないのではと思うほどに厳重にボードバックを隠した。

 

最初に急いで海に行った友人とは別の友人と、波を砂浜でチェックする。

 

"これは良いんじゃない?"

 

"この波は絶対に良いよ"

 

俺たちは興奮を抑えきれない。"早く海に入りたい"という気持ちを抑えて、十分にストレッチ体操をしてから海にGetting Out。海水は冬のカリフォルニアの水温で、ちょっぴり冷たい。フード付のS6・5・4mmのウエットスーツとブーツで丁度良かった。

 

パドルをしながら、ブレイクウオーターを5度ほどダックダイブ(日本語で言う、いわゆるドルフィンスルー)をして、ピークのインサイドで波街をする。そのピークを少し外れた場所で、波を見ながら感慨にふける。 波待ちをしていると遥か向こうから特大のセットが割れてきて、それを優雅に乗りこなすサーファー達が見える。日本では信じられないほど高い質の波。見ているだけで見とれてしまう。

 

カリフォルニアサーフ・サーフボードカルチャー
Reference:Sufline

 

この場所はブーツが あったほうが良い。稀にブーツを履くと、足のグリップ感が狂うというサーファーもいるが、それよりもインサイドにごろごろとしているゴツゴツ玉石のほうが 気になる。しかも俺は水温が冷たい北カリフォルニアに以前住んでいて、その場所でいつもサーフィンしていたので、ブーツにもう慣れてしまっているのでまっ たく気にならなかった。

 

また11 times世界チャンピオンのSlaterがここでサーフィンする時も、俺はブーツを履いている姿しか見たこと無い。それを考えると、ブーツを履くほうが自然なのかもしれない。

 

海から陸側を見る と、一軒2〜5億円はするかという豪邸が何件も建っている。"俺もいつかあんな場所に住みたいな"と、心の底から考えても無い、軽薄なアイデアが脳の片隅 に浮かぶ。そしてその豪邸をはさんで後ろにはカリフォルニアでも随一と言える急勾配を持つ山脈。雄大な山々がその風景にさらなる雰囲気を付け加える。カメ ラが欲しい。でも海の中でカメラを持っていたら、サーフィンに集中できない・100%楽しめない。

 

"サーフィンする時は、カメラなんかいらないや"と70%は思っている自分がいて、30%は"この素晴らしい景色・波をカメラを持って、ファインダーの中に収めたい"と思っている自分がなぜか憎らしかった。

 

波は早くそして掘れている。そして、混雑の中で頭を使ってポジションをとり、波に乗ってしまえばまさに天国。長いショルダーがあなたをこの上ない至福の時間へと導く。水は冷たいが、それも雰囲気を醸し出していて、余計に幸せな気持ちになれるのだ。大自然が生み出す奇跡・・・ここに入っているだけで、満足感が得られる。?

 

サーフポイントとしては混雑が激しいが、ここは開かれたポイント。ロングもショートも、それぞれのペースで楽しんでいる。前 乗りなども起きてしまうが、皆意外と余裕があって前乗りしたら追いつかれなければオーケーのケースが9割。前乗りされたら、前のサーファーに知らせ、前の サーファーはすぐにプルアウト。もちろん稀に口論はあるが、俺が見てきた中でもそれほどでもない。すぐにこの素晴らしい波を楽しみたいがために皆口論すら 忘れてしまうようだ。

 

俺が沖を見ると、一人のロングボーダーがテイクオフをした。セットで頭半オーバーの波。テイクオフして、細かなアップ&ダウンをしてセクションを抜ける。その後、深 いボトムターンをして3秒はあろうかという特大フローター。それを難なくこなして、さらにスピードを付けてもう一度ボトムターンからリップアクション。波 が掘れてきて、あの掘れ掘れのセクションでハング10だ。周りのサーファーはショートもロングもそのライディングを見て皆が歓喜の声を上げている。

 

俺はトレーニング以外ではロングボードはやらないし、小波の混雑の中でガツガツしているロングを見ると嫌になる。だけど、同じサーフィンだし海を楽しむフィーリングは一緒。 だから、彼らのスタイルもちろんありだと考えている。ショートボーダーだって、ロングボーダーから学ぶこともたくさんあるのだ。それを示してくれるような 乗り方をするロング。今日そのポイントで見たロングボーダーは、俺の心を刺激してくれるほどに綺麗な乗り方かつラディカルな動きをしていた。今まで見て感 じたことの無いような、うっとりと見とれる優雅さと洗練。素晴らしくスタイリッシュなロングボーダ。

 

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最初はまったく気がつかなかったが、隣にいたサーファーが俺の右横20mくらいでじっくりと波待ちをしているのに気がついた。ボードも真っ白でステッカー一切無し。ウエットスーツは真っ黒でExcelのはげたようなロゴが入っている。どこかで見た顔・・・?誰だろうと思っていたが、何気なく俺はサーフィンしていた。頭半くらいのセットが、ワイドに入る。そして、隣に居たサーファーが驚くほどのパドルスピードで、波にあわせてそのセットにテイクオフした。グーフィーフッターだ。テイクオフからいきなり誰だか分かるあのスタイル。深いボトムターンをした後に、急激な縦に上がるリップアクション。Bobby Martinez(ボビー・マルチネス)だった。

 

一般のサーファーには想像もできないほどの、バーチティカルさとタイトさ、そしてスプレーの量。俺の左隣の10歳くらいのキッズは興奮してこんなことをささやいた。

 

”Look at that! He is Bobby. I wanna be like him someday...(オイ見てよ、ボビーだそ。いつか僕もあんなふうに。。。)”

 

実際そのキッズも相当な腕前。彼も未来のCTサーファーを夢見ながら、これから成長していくのだろうか。自分の夢見るワールドツアーの現役選手を近くで、自分の眼で見る幸せ。

 

俺もそれに触発されたかのように、次のセットに俺もボードを合わせる。セットは頭オーバーのセットだ。パドルを開始して左を見て、サーファーが波に乗ってこないことを確かめる。そして全力でパドルをして波にテイクオフする。

 

"絶対にこの波を取る"

 

という強い思いをこめて、パドルをした。今日選んだボードが波にあっていたので、スムーズな走り出しをして波に乗る。波に乗ると、レギュラー方向に長いショルダーが見えるグットウエーブだということがすぐにわかる。

 

"うわーこれは凄いな"

 

と考えながら、まずは波が高速で割れてきたので、アップス&ダウンを細かくしてセクションを抜けていく。そしたら、誰でも当て込みができそうなリッパブルな波が現れてきた。

 

”信じられない・・・・・波が良すぎる”

 

ということを考えな がら、ボトムターンをして、トップターンをする。そして、その長く続く波をどんどんと乗っていく。トップアクションをあと3回、カットバックを2回。そし てインサイドでまたアップ&ダウンをして最後にロールイン。結局ハイウェイの近くまでのオールザウエイ。また心の中で

 

”信じられない・・・波が良すぎる”

 

と叫ぶ。

 

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このポイントのイン サイドでは砂がたまっていて、その砂浜を歩いてビーチへと戻る。ビーチを見ると、沖を見ながら波をチェックしながら玉石の上を歩いているサーファー。フォ トグラファーと"今のライドどうだった?"と話していそうな、ステッカーを貼りまくるプロライダー(Spenser Legan)。自信たっぷりの水着で、"私のゴージャスな体はどうよ"と言わんばかりの素敵な女性。最近カリフォルニアで見かける、木だけで作った Wegenerサーフボードを脇に抱えるサーファー。

 

これこそ、カリフォルニアのサーフカルチャーの凝縮なのだと心の底から感じる瞬間。誰でもこんな超一級の玉石ブレイクで、自分のペースで楽しめる。そして手本にするグットサーファーに数多く会える。し かもこんなに良い波なのに、駐車場で”ここはローカルオンリーだから、”とも言われない。もちろんカリフォルニアでも他に閉鎖的なところもあって望まない ことも起きるが、そんな時は近くの同じような波質の楽しめる場所はいくらでもある。別にその場所じゃなくても良いのだ。

 

サーフィンは良い波 に乗ったほうが、楽しいし、何よりサーフィンを楽しめば上手くなる。ジャンク波でも上手くなるが、質の悪い波だけでは面白くなかろう。カリフォルニアはだ れでも手軽に良い波に乗るチャンスが転がっている。しかも、良い波はショートにとって良い波だけでなく、ロングやファンボード、そしてスポンジにとっても 良い波もある。だから、多彩なデザインがカリフォルニアからは生まれてくるのだ。一つのタイプしかない波だったら、ボードデザインへのインスプレーションも限られてしまっていたことだろう。

 

筆者は、カリフォルニアから一時帰国した際に、ある日本の台風とか大きな低気圧が接近した時に割れる一級ブレイクに入ろうとしたことがある。その日はビーチブレイクがクロー ズアウトであったので、そのリーフブレイクと、そのリーフの隣にあるブレイクのみがサーフ可能。その隣の波は言って悪いが巨大だが、とろとろと割れる低質 なブレイク。一級リーフブレイクは、スーパークリーンであって、見ていて楽しそうだった。波乗りが好きな人だったら、どちらを選ぶかは明らかだった。

 

俺は一級リーフブレイクのすぐそばの駐車場で料金を支払い、早速ウエットスーツに着替えようとしていた。その時、あるサーファーが”ここは入らないほうが良い。プロもいてビ デオも入っているし、ローカルもぴりぴりしているから”と言ってきた。俺は”そうですか、わかりました”と言って、その場を立ち去った。そして近くにあ る、ジャンク気味なダブルの波でサーフィンをした。心の中では、隣の波のことを考えながら・・・

 

その忠告をしてくれ たサーファーは、悪意があって俺にアドバイスをしたのではないと思う。逆に、善意かつ親切心で教えてくれたことに感謝しなければならないのかもしれない。 でもこれこそ、日本の外に開かれない鎖国時代からの、根強い閉鎖的なカルチャーを示している事例の一つなのかもしれないとも考えた。あの一級ブレイクが もっと開かれていたら・・・多くの人がその素晴らしい波を味わえたらもっとサーフィンファンが増えるのではないか。日本のサーフレベルも底上げにつながるのでないか。キッズたちに夢を見させることが出来るのでないか。週末を心待ちにしている多くのサーファーが、心からサーフィンを楽しんで、次の週の仕事を 快適にしてくれるリフレッシュになってくれるのではないだろうか。

 

俺はある場所にいつも入っているけど、すべての人にオープンにできるだけなろうと努力している。自分だけ他の土地に行った時にはやりたい放題だけど、誰かが自分のホームポイントに来た時は閉鎖的になるなんて狭い視野だけは持ちたく無い。

 

良い波故に閉鎖的になることは理解できるが、それゆえに進歩を妨げている事がたくさんあるのではないか?たった5分にも満たない時間だったが、さまざまな思いが交錯した出来事だった。

 

それに反して、こちらのカリフォルニアのサーファーは、平均してリラックスしている。筆 者がある世界でも有名なポイントブレイクで、サーフィンしていたあるオーバーヘッドの日、こんな出来事があった。その日は南からのスエルがヒットしてい て、グットコンデション。週末ということもあり、数多くのサーファーを集めていた。ポイントのレベルは想像を絶するくらい高く、至る所でエアーやらキレの あるリッピングが飛び出している。みんなプロなんじゃないかと思うほどのレベル。信じられないかもしれないが、この場所に本当に来てサーフィンしたことが ある人ならわかるはずだ。そこらじゅうのプロ、そしてフォトグが集まっていた。

 

そんな中、自分はインサイドで余った波を乗る作戦で楽しんでいた。インサイドの波でも十分楽しめる。10歳くらいのキッズ達と波を共有するような感じだったが、自分のレベルにはインサイドがちょうど良かった。たぶんピークに行っても、まぐれで1時間に1本乗れるか乗れないかだろうし。それにインサイドだと上手いサーファーが乗ってくるのがすべて見える。

 

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実際に海に入っていると、岸から見るより更に上手く見える。あのCTサーファーも入っていたけど、とてもラインが太く、そして時には雑誌の広告に出てきそうなビックエアーを 決めていた。あのエアーが、Transworls Surfに乗ってしまうのだろうか・・・なんて考えながら、世界のトッププロのライディングを見て楽しんでいた。

 

そんな中、頭半サイズのセットが入り、あるビラボンにスポンサーされている若いサーファーがテイクオフする。とても深いボトムターンをし、その深いターンから出るスピードでトップのリップに上がった。そのままリップから飛び出すエアー360。俺は"メイクできないかな?"と思っていたけど、なんとそのままつなげて次のリッピングへ。そのリップが終わるとウルトラスピードでインサイドまでつなげてきた。

 

"まずい、このままでは当たる"

 

と思ったが、時は遅し。彼の優雅かつアグレッシブなサーフィンに見とれていたので彼のラインを邪魔してしまった。

 

"まずいな〜謝らないと・・・"

 

と考えて、彼がインサイドから戻ってきた時に

 

"I got on your way, I am sorry.訳:君のラインに入ってしまったね。ごめんよ"

 

と彼に謝った。そうすると彼はニコニコしながら

 

"Oh, No problem. I am sorry too.訳:問題ないよ!俺もごめんよ"

 

とさわやかに返してきた。怒っているどころか、こっちが謝られるなんて。良い意味での驚き。彼は自分がスポンサーされているので、プロたる立場をわきまえているのかもしれな い。ノーズにスポンサーのステッカーを付けることのできるサーファーは、こちらでは本物のプロ・若いトップアマのみ。一般サーファーが普通そんなことは許 されないし、なにより恥ずかしくてできない。こっちでは目立つ存在は、能力が高くなければならないのだ。だから、ウエットスーツも派手な色つきなものは、 プロ以外はほとんど着ない。みんな(俺も含めて)地味なブラックベースのウエットだ。

 

本物でないのにそんなリアルなステッカーを付けたり、派手なウエットを着ていると、Kook(サーフィン用語では初心者と言う意味もあるが、それよりもあまり上手くないくせにいきがっているというサーファーにも使われる)と言われてしまうだろう。

 

プロに近いトップア マでも年齢が30歳も超えれば、KellyとかTaylorとか超一級アスリート以外は、通常はスポンサーされないので、その年齢以降だとステッカーを至 る所に付けるサーファーはほとんどいない。若いサーファーも同じだ。そう考えると、今日のこのポイントで彼がビラボンのステッカーをノーズにば〜んと付け ているというのは、きちんとしたリアルプロサーファーということ。

 

サポートしてもらっている会社をいわばレプリゼント(代表)している稀有なサーファーなので、海の中・外での変な行動はスポンサー会社に迷惑を掛けることになる。そういうこ とをわきまえて彼が行動していれば、スポンサーされているサーファーの鏡とも言える対応なのかもしれない。実際俺はビラボンウエットスーツを買おうと思ったくらいだから・・・

 

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またこんな話がある。ある筆者の友人が、有名なプロの近くでサーフィンをしていた。彼はそのプロに遠慮して、プロがパドルした波は自分に優先権があるにも関わらず、すべてそのプロに波を取らせていたという。そうしたらそのプロが

 

"Hey. It's all fair game!訳:ヘイ!フェアーゲームだぜ。(遠慮するな)"

 

と彼に言ったという。

 

そのプロサーファーはカリフォルニア、いや世界でも有名なプロでWQS4スターでもファイナルに残るほどの腕前。そんなビックかつ上手いサーファーがそういう態度をとってくれる(彼の本心は分からないが、どんな人でもサーフィンの実力で判断するということ)ので、なんだが嬉しくなる。

 

ああ、これこそがカルチャーの違い。単なるカルチャーの違いだと思うのだが、俺はどっちかというとカリフォルニアのサーフカルチャーのほうが好きだと確信させてくれる。だから俺はカリフォルニアでサーフィンするのが好きなんだ。実力勝負だけど、ポイントもたくさんあって、俺みたいな中級レベルでも受け入れてくれるその懐の深さ。陽気さ。そういえば、12年くらい前に、俺がカリフォルニアに来る前に、海で出会ったカリフォルニアが好きな日本人にカリフォルニアの印象を聞いたことがある。

 

彼は

 

"カリフォルニアのサーファーのほうが、平均してゆったりとしてる"

 

と教えてくれた。俺が今カリフォルニアの印象と同じだ。

 

もちろんさっきも言ったけど、嫌な思いもすることもある。俺だって、駐車場に車を止めただけで"Go home"と言われたこともある。ちゃっかりその近くの駐車場に車を止めて、結局ポイントに入ってしまったけど。

 

先ほども述べたが、アメリカでは実力勝負なところもあって、能力とそのラインナップが見合えばそれほど回りもうるさくないし、認めてくれる。実力が無ければ、海でも波に乗れない。あれば乗れる。ある意味フェアーゲームなので、とても分かりやすい。

 

波に乗りたければ、上手くなってそのポイントに挑めば良いの だ。下手だったら練習して、上手くなってからその場所に行けば良いだけ。どこかの国にある、どこどこのチーム員とか、ウエットスーツとボードはこれこれを 使っていなければそのポイントでサーフィンできないなんて、誰が考えたアイデアなんだろうと摩訶不思議に思わせてくれる。そういったことは、別に悪いこと とじゃないと思うけど、じゃあそこに所属していない人達は同じサーファーじゃないのだろうか?団体に入らないと、サーフィンできないのか?そうじゃないと 思う。みんな海が好きな、一人のサーファーなんだ。そう考えると、閉鎖的なサーフカルチャーになにか違和感を感じる人もいるのだろう。

 

また、(カリフォルニアの基準であまり上手でないサーファー)が、海のラインナップで”俺が乗るんだぞ”とガツガツと波を追ってくることもここでは比較的少ない。ああ、カリフォルニアの雄大な海。これこそカリフォルニアサーフカルチャーなんだ。

 

今日のサーフセッションも終わり、駐車場へと歩いていく。小金色に輝く、まるで黄金のようなサンセットを見ながら、カメラでまた風景を撮影している自分がいた。

 

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駐車場で、着替えていると友人が満面の笑みを友人との今日の波について語り合う。

”波、本当に良かったね”

 

”ああ、そうだね”

 

そんな話が駐車場で着替えている時から、食事の時間まで耐えない。明日はどんな波が割れるだろう?"明日は4時に起きて、すぐにポイントに向かおうよ"なんて、朝に弱い俺が言ってみたりする。

 

次の日も早起きしたのだけど、波が小さくなっていた。昨日のスーパーブレイクは姿を消し、家への帰路の途中のビーチブレイクのサイドオンショアの腰波でサーフィンをした。波は良くなかったけど、それもまたカリフォルニアの素晴らしい一日。

 

ここにいられて、サーフィンを体感できる幸せを感じながらそのオンショア気味の波なりに楽しんだ。晴れの日も、雨の日もそうやって俺は毎日サーフィンをする・・・

 

Feeling of the Pacific Ocean,surfing culture,places, people...

 

そうやって、カリフォルニアのサーフカルチャーを全身で感じ、そして楽しみながら今日も海に行く。どんなサーフセッションをこの偉大なる土地は俺に与えてくれるのだろうと考えながら・・・

 

カリフォルニアサーフ・サーフボードカルチャー
Reference:Sufline

 

【カリフォルニアのサーフカルチャー】

カリフォルニアのサーフカルチャーは多彩だ。その理由は以下にある。

 

  • ・世界でも稀に見ない、地中性気候とサバナ・ステップ気候が混ざり合った海岸線
  • ・ビーチブレイクからリーフブレイクまで揃うさまざまな波
  • ・北と南に広がるカリフォルニアの地形
  • ・人種のルツボと言える、多彩な人種と文化
  • ・冷たい寒流と温暖かつ乾いた気候が生み出す、独特のサーフカルチャー
  • ・開かれた土地アメリカを感じさせてくれる人・考え方

もちろん日本も素晴 らしいカルチャーがあるが、それとは全く違ったサーフィン文化がこの土地には根付いている。サーフィン産業も世界最大の7000億円ほどの規模を誇り、世 界のサーフィンインダストリー・流行の発信地はまさにカリフォルニアから始まっていると言っても過言ではない。いわば、生活により根ざしたサーフィン文化 がこの黄金の土地にはある。

 

サーフィンの技術と言う点では、AUSサーファーにはカリフォルニアサーファーはかなわないかもしれない。事実世界ツアーでもUSA出身より、AUS出身のサーファーのほうが多いし、知り合いのカリフォルニアに住んでいるアメリカ人に聞いても、同じようなことを言う。

 

それでは何故日本のみならず、世界中で憧れのサーフィンの場所としてカリフォルニアが常に注目されるのだろう?

 

サーフィンは技術だけじゃないのだ。サーフィンを取り巻く、環境・雰囲気・人・文化・波などなどすべてをひっくるめると、カリフォルニアほど多岐に富んだカルチャーを生み出 す土地は世界でも無いだろう。そのスタイルある雰囲気、さまざまなボードデザインを生み出していく原動力・技術・知力、そして独特なグリーンルームを生み 出す冷たい海・乾いた空気・青い空・・・愛すべき土地がここカリフォルニアにあるのだ。

 

このページでは、カリフォルニアに住み、そしてサーフィンを愛している筆者が独自の観点からカリフォルニアのカルチャーを書いていこうと思う。もちろん、俺だけの観点だから 違った経験・意見もあるだろう。それはそれとして、是非このページを隅まで読んで欲しい。カリフォルニアのサーフカルチャーの一片が必ず感じられるはず だ。

 

筆者の終わり無きカリフォルニアドリームシリーズはこれからも続く

 

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